
大和古寺風物誌(やまとこじふうぶつし)
[#ページの左右中央] 斑鳩宮(いかるがのみや) [#改ページ] 飛鳥(あすか)の祈り 推古天皇の御代(みよ)、上宮太子(じ...
[#ページの左右中央] 斑鳩宮(いかるがのみや) [#改ページ] 飛鳥(あすか)の祈り 推古天皇の御代(みよ)、上宮太子(じ...
第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕元に坐(すわ)っていると、仰向(あおむき)に寝た女が、静かな声でもう死にますと云う。女は長い髪を...
われは堅き金剛石(ダイヤ) 金槌(つち)にも鑿(のみ)にも 打ち砕かれじ。 打て、打て、打ちみよ われは死なじ。 死してはまた生き 屍灰...
街頭に佇てばあまりに騒がしい。 あすの日もないように、なにをあせり なにを騒ぐのでしょう。おいでなさい。 その騒々しさからそっとのがれて ...
その一 三十七年如一瞬(さんじゅうしちねんいっしゅんのごとし)。学医伝業薄才伸(いをまなびぎょうをつたえてはくさいのぶ)。栄枯窮達任天命...
鼻の白粉 一夜、ある映画館で私はつい飛んでもない自分の阿呆をあたりのつつましい観客たちに暴露していた。人気者のユル・ブリンナー主演の「大...
ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。彼は甲殻...
臙脂紫 1,夜の帳(ちゃう)に,ささめき盡きし,星の今を,下界(げかい)の人の,鬢のほつれよ 2,歌にきけな,誰れ野の花に,紅き否(いな)...
新春太平綺語 おそらく、十代二十代の人には一笑にも値しまい。けれど私たちの年齢の者は、平凡なはなしだが、「ああ、元日か」の感慨を...
その家には人間と豚と犬と鶏と家鴨(あひる)が住んでいたが、まったく、住む建物も各々の食物も殆(ほとん)ど変っていやしない。物置のようなひん...