
錦木(にしきぎ)
(一) 京でなうても御はなは咲いた 恋の使の春(ハル)の小雨が たよりもて来てそとさゝやけば 花は恥ら...
(一) 京でなうても御はなは咲いた 恋の使の春(ハル)の小雨が たよりもて来てそとさゝやけば 花は恥ら...
この一篇を我が亡弟に捧ぐ 一 もう四五日経つと、父のおともをして私も珍らしく札幌へ行くことになっ...
魚屋だの屑金買入れ屋のごたついた店だののある横丁から、新しく開通した電車通りへ出てみると、その大通りはいかにも一昨日電車がとおりはじめたば...
作品をよんだ上での感想として、ゴーリキイが中篇小説において長篇小説よりすぐれた技術、味いを示し得ていることを感じるのは恐らくすべての読者の...
われわれの『文学新聞』が、今度「婦人欄」を特別に設け、そこへ面白いためになる婦人と文学とに関する種々な記事を精力的にのせることになったのは...
二月十二日 もう三月八日から дом отдыха〔休息の家〕が開かれると新聞に出た。モスク保健局直属の八つの дом、建物の手入れに 2...
十月下旬行われた作家同盟主催の文学講習会のある夜、席上でたまたま「亀のチャーリー」が討論の中心となった。ある講習会員が「亀のチャーリー」を...
一 大正年代は、日本の文学界にもヨーロッパ大戦後の世界を洗いはじめたさまざまの文学的動きを、日本独特の土壤の上に成育...
一月五日(月曜) 山岡にかえって来る。 一月十九日(月曜) 久しぶりにて、金子茂、河崎なつ、石本、新妻氏等と一緒に偕楽園で食事をし...
「広場」は、一九三九年十二月にかかれた。同じ時に「おもかげ」という短篇がかかれていて、ある意味で連作の形をとった。前の年(昭和十三年)一年と...