吸い殻(すいがら)

午前七時、
時刻が来たいざ学校へ。

晩秋おそあきの市街の上を、
悲しげに風は泣きすぐ。

絶えずしたゝる冷たい鼻汁を、
すゝりつゝ道を通る。

ふとして眼にとまる白い吸い殻、
誰れが手から投げ捨てられし……。

もどかしい黄色な煙は、
力なく渦をまいて漂ふ。

火の気衰ろへ、煙が消えると、
死人の影がちらつく。

今一しきり秋空が吹き過ぐる、
吸い殻は空しく地上を転ろげる。