星の王子さま(ほしのおうじさま)

 この翻訳では、内藤濯氏に敬意を持って挑戦するという意味でも、〈星の王子さま〉というタイトルをあえて使いません。そしてもし商業的理由によって、様々な翻訳が『星の王子さま』というタイトルに制約されるのであれば、翻訳の自由もおびやかされているのかもしれません。新しくかつ自由な "Le Petit Prince" を世に出すためにも、直訳の「あのときの王子くん」というタイトルを用いる次第です。


 この翻訳を作るにあたり、以下の諸訳について、翻訳研究の側面から分析を行いました。その研究成果が翻訳に反映されています。また、それぞれの翻訳を、訳文作成後の誤訳チェックにも使用いたしました。各訳者様に、深く感謝申し上げます。

内藤濯[訳](1966)『星の王子さま[改版]』岩波書店
 ――[訳](2000)『星の王子さま――オリジナル版』岩波書店
小島俊明[訳](2005)『新訳 星の王子さま』中央公論新社
三野博史[訳](2005)『星の王子さま』論創社
倉橋由美子[訳](2005)『新訳 星の王子さま』宝島社
山崎庸一郎[訳](2005)『小さな王子さま』みすず書房
池澤夏樹[訳](2005)『星の王子さま[ハードカヴァー版]』集英社
川上勉、廿樂美登利[訳](2005)『プチ・プランス 新訳 星の王子さま』グラフ社
藤田尊潮[訳](2005)『小さな王子 新訳『星の王子さま』』八坂書房
辛酸なめ子[訳](2005)『「新」訳 星の王子さま』コアマガジン
石井洋二郎[訳](2005)『星の王子さま』筑摩書房
稲垣直樹[訳](2006)『星の王子さま』平凡社
河野万里子[訳](2006)『星の王子さま』新潮社
谷川かおる[訳](2006)『星の王子さま』ポプラ社
野崎歓[訳](2006)『ちいさな王子』光文社
(以上、刊行年月日順)

 さらに、原典の解釈に当たって、以下の研究書・関連書・サイトを参考にしました。同じく各著者様に、深く感謝申し上げます。

稲垣直樹(1992)『サン=テグジュペリ 人と思想』清水書院
 ――(1993)『サドから『星の王子さま』へ フランス小説と日本人』丸善
片木智年(2005)『星の王子さま☆学』慶應義塾大学出版会
加藤晴久(2006)『自分で訳す「星の王子さま」』三修社
小島俊明(2000)『改訂版 おとなのための星の王子さま――サン=テックスを読みましたか』近代文芸社
内藤濯(1971)『未知の人への返書』中央公論社
 ――(1971)『星の王子とわたし』文藝春秋
 ――(1976)『落穂拾いの記』岩波書店
内藤初穂(1984)「童心の日記――序に代えて」『星の王子 パリ日記』(内藤濯[著])グラフ社
 ――(2003)「『星の王子さま』備忘録その一」『図書 2003.12』岩波書店
 ――(2006)『星の王子の影とかたちと』筑摩書房
藤田尊潮(2005)『『星の王子さま』を読む』八坂書房
水本弘文(2002)『「星の王子さま」の見えない世界』大学教育出版
三野博司(2005)『『星の王子さま』の謎』論創社
柳沢淑枝(2000)『こころで読む「星の王子さま」』成甲書房
山崎庸一郎(1984)『星の王子さまの秘密』彌生書房
 ――[編](1995)『星の王子さまのはるかな旅』求龍堂
 ――(2000)『『星の王子さま』のひと』新潮社
RenardBleu(1999-2006)『「星の王子さま」総覧』Available online at www.lepetitprince.net (accessed 2005-2006)

 最後に、次の方々にあらためて感謝申しあげます。STORYTELLERBOOK の佐々木健さん、「星の王子さま」総覧の RenardBleu さん、aozora blog の ag さん、いろんなことを教えてくれたひとりの女の子、そしてこの半年間、なにかと支えになってくれた友人たち。みなさま、本当にありがとうございました。
 この翻訳が、読者のみなさまの何かのお役に立つなら、これにまさる幸いはありません。

2006年10月24日 大久保ゆう