みだれ髪(昭和8年)(みだれがみ(しょうわはちねん))

386,清し高し,さは云へさびし,白銀(しろがね)の,しろきほのほと,人の集(しふ)見ゆ(醉茗の君の詩集に)
387,雁(かり)よそよ,我がさびしきは,南なり,のこりの戀の,よしなき朝夕(あさゆふ)
388,この秋の,何にか似たる,わが命,せましちひさし,萩よ紫苑よ
389,柳立つ,堤に出でて,我れ在りぬ,水はさばかり,流とからず
390,幸(さち)おはせ,羽やはらかき,鳩とらへ,罪ただしたる,高き君たち
399,そと祕めし,春のゆふべの,ちさき夢,はぐれさせつる,十三絃よ