朝に想い、夜に省みる(あさにおもい、よるにかえりみる)

己に打ち勝て
 さすればわかる
高みを目指せ
 自信を持つこと
最後に救われ
報われるのは
過ち悲しみ涙痛みに
生き抜いた者だ
ジェイムズ・アレン
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 本書『朝に想い、夜に省みる』へ選り抜くため、ジェイムズ・アレンの全著作を通読しているうち、私は、その1ページ1ページに真実味があると繰り返し何度も感じたものだった。誰もわからずとも、ほかならぬ私だけはこの作家のことを知っている。これまで長年、あらゆる姿の彼を見てきたのだ――仕事の時も余暇の時も、喜びの日も悲しみの日も、日だまりの中でも雲の中でも――だからこそ私はわかる、本書の文章が脳の空回りの産物でもなければ、他の本の孫引きでも寄せ集めでもない、自分の心に根ざした、しかるべき実感実体験があってのちに書かれたものなのだと。なればこそ、必ずやその言葉が使命を果たすはずと、このささやかな本をここに送り出そう――実体験に基づくからこそ心に迫るものがあるのだとして。毎日の瞑想に本書を用いれば、きっとその力を実感できるだろうし、幸せをその手につかめるはずである。それもやはり、本書がある人間の実体験から生まれたものであるからだ。
リリー・L・アレン
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 幸せな人生のためにまず何をすればいいのか、ひとつには、普通に考えて当たり前のこと、誰しもがみな毎日やっていることをすればいい――つまり、その日の生活をしっかり始めることだ。ある意味では、毎日が新しい人生の始まりだとも考えられるし、そうすれば新たな気持ちで物を考えたり動いたり生きたりできるし、普段以上に元気で頭が働くかもしれない。すがすがしく朝支度ができれば、正しく一日を始められ、これが結果として気持ちよく、その日の課題や職務も自信たっぷりに取り組めるし、ひいてはその日一日が生き甲斐のあるものとなるだろう。
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 何かを引き替えにしなければ、物事は進まないし、成し遂げることもできない。人が社会で成功できるかどうかは、獣じみた見境のない物の考え方をどれだけ捨てられるか、腰を落ち着けて自分の目指すところにどれだけ邁進できるか、やる気や自信をどれだけ強く持てるかで決まる。意識を高く持てば、勇気も出て正直にもなるし、正しい行いもできるようになり、さらにはその成功も大きなものになって、そうなれば成し遂げたことも人に認められ、後世に残るようなものにもなるだろう。
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 考えが正しければ、その振る舞いも必ず正しくなる。行動が正しければ、生活も正しくなる。人生が正しければ、そこで必ず幸せになる。

心とは、人生を形作る力の大元である。
人とは心そのものであり、たえず思考を
道具として、自分の望むものを作りながら、
多くの幸せと多くの不幸せを生み出すのだ。
ひそかに考えても、その物事は現実となる。
つまりは身の回りも己の写し鏡にすぎない。
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 穏やかな心とは、知恵のたまものだ。自分自身とは心が作るものであるとしっかり理解すれば、その分だけ穏やかにもなれる。正しい理解を持つに至り、物事の背景にあるこの因果の関係を深く悟れば悟るほど、人はぷりぷり起こったり、悩んだり嘆いたりしないようになり、落ち着いて穏やかな気持ちで地に足を着けるのである。
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 どんな境遇にあっても、いちばんすべきと思うことに忠実であれ。常に、己の正義に従え。自分の内なる声、内なる光を信じなさい。ひるまず落ち着いた心で自分の目標を追いかけよ。考えたり頑張ったりすることが必要だが、必ず未来がそれに報いてくれると信じ、宇宙のルールがいつも間違わないとわかってさえいれば、あなたがやったことはきっかりあなたのところに戻ってくる――これを信じて生きるのがよい。
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 己の仕事をとことん理解し、自分のものとすべし。そして内なる導きに、誤りない声に従って進んでゆけば、次々と勝利の道を歩み続け、死後の世界でも着実に位を上げていけるだろうし、どこまでも広がる前途が、人生の本当の美と目的を少しずつ明らかにしていくだろう。自分の身を清めれば、健康も己のものとなり、自分の心を制すれば、力も己のものとなり、やることはみなうまくいく。

つかのまの人生のあいだ、愛をもって
じっと堪えれば、私も健康や成功・力を
ゆくゆくは手にできるのかもしれない。
心を汚さぬままでいろ、道を踏み外さず
誠実でいろ、そうすれば私もついには
不滅の地を目にすることができよう。
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 舌をうまく操る、舌を賢く使いこなす、衝動的なわがままや下司の勘ぐりからなる軽はずみな発言をついしそうになる舌も押さえつける、他意のない素直できっぱりした物言いを紳士的に品よく行う、しゃべる時には必ず誠実に本当のことを言う――この5つのステップを踏めば品行方正な発言ができる上、以下の次善の教訓も身につけられる。