
別れ(わかれ)(この小さき歌を友・源氏太郎に聞かす)((このちいさきうたをとも・げんじたろうにきかす))
ゆふぐれを君みおくりて ばらの実の丘にのぼりつ 鳩笛のおとに濡れゆく よは肩の君のほそさよ この赤きばらの木の実を をとめの日君はめでし...
ゆふぐれを君みおくりて ばらの実の丘にのぼりつ 鳩笛のおとに濡れゆく よは肩の君のほそさよ この赤きばらの木の実を をとめの日君はめでし...
一 たうとう彼の妻は死んだ。彼は全くぼんやりとして、妻の顏にかかつてゐる白い布を眺めてゐた。昨夜妻の血を吸つた蚊がまだ生きて壁にとまつて...
木靴 「食えない者は、誰でもおれに尾(つ)いて来(き)な。晩には十銭銀貨(わんだら)二(ふた)ツと白銅の五銭玉一ツ、みんなのポケットに悪く...